惣吉稲荷神社とは
惣吉稲荷神社は、神奈川県相模原市南区上鶴間本町八丁目の境川から一段上がったところにある神社です。
惣吉稲荷神社の境内および境内にある板碑は相模原市の指定文化財となっており、相模原市公式WEBサイトに紹介がありました。
また、境内や鳥居の脇にも丁寧な紹介文の説明がありましたが、ちょっと長かったので要約させていただくと、
- もともとこの付近に「西光寺」という寺院があった
- 西光寺は、泉龍寺の本尊の銘の写しによると、延文4(1359)年の建立らしい
- 西光寺には徳川家譜代の家臣・大岡義成夫妻の位牌があった模様
- 大岡義成は地頭としてこの上鶴間の地を治めていたが慶長4(1599)年に42歳で亡くなった
- 当神社境内に現存する義成夫妻の墓碑は二代作左衛門が建てたものである
- 大岡家には惣吉というとても実直な忠僕がおり、義成の死後その墓と寺を守り一生を終えた
- のちに西光寺は末社である稲荷神社を残して廃寺となったが、惣吉の忠義心に感動した人々が残された稲荷社に惣吉の名を付けたと伝えられている
- 当神社の創立年月日は不詳であるがおそらく明暦元(1655)年の創立ではないかと推察される
- 「惣吉稲荷神社」と名乗るようになったのはいつだかわからない
- 境内にある板碑二枚は、延文4(1359)年の位牌で 往時はすぐ近くを鎌倉古道が通っておりその路傍に建っていたものと思われる
要約したつもりなんですがまだまだ長いですね。
とにかく長い歴史をもつ、たくさんの出来事を見てきた神社であることには間違いありません。
境内にある「惣吉稲荷神社御由緒の概要」の説明板です。
鳥居脇にある板碑についての説明の碑です。
アクセス
公共交通機関
路線バス
最寄りのバス停は「上鶴間高校入口」もしくは「鶴園小学校前」バス停となります。
小田急相模大野駅南口から中和田地区をぐるっと周って相模大野駅南口へと戻る神奈中バスの路線「大13」系統が停車します。
どちらのバス停からも280mぐらい、徒歩5分程度で着けると思います。
循環系統のため、どちらのバス停にも1方向のみしか停車しません。
また、これらのバス停に着く前に「上鶴間高校」というその名の通り上鶴間高校の前にあるバス停を通りますので間違えないように注意してください。
両バス停の時刻表はこちらです。ご利用前には神奈川中央交通公式サイトでかならずご確認ください。
相模原市南区上鶴間本町の中和田地区の略図を作ってみました。
相変わらずごちゃごちゃしてしまいましたがだいたいこんな感じです。
駅から徒歩
駅から歩こうとする場合の距離と時間について、いつものようにgoogleマップさんに聞いてみました。
- 小田急各線相模大野駅から 1.7km 徒歩24分
- JR横浜線町田駅から 1.8km 徒歩24分
- 小田急江ノ島線東林間駅から 1.8km 徒歩26分
ということで、駅から徒歩で向かう場合の最寄り駅は上の3つとなります。
距離といい所要時間といい大差ない感じですが、どれもお散歩にはちょうどいい距離と所要時間のように思えます。
クルマ
惣吉稲荷神社は狭い路地に囲まれていることもあり、クルマでの訪問には適しません。駐車場などもありません。
どうしてもクルマでお参りしたいという場合は、惣吉稲荷神社から急坂を降りた下、もしくは鶴園小学校前の信号付近などに2023年11月現在はコインパーキングがあるようですが、道もかなり狭いですので十分注意してくださいませ。
参考までに周辺地図は以下のとおりです。
周辺は道路が狭いだけでなく、さらに急坂や急カーブも多く見通しも悪いので、徒歩でもクルマでも十分注意してください。
行ってきました(2023年11月中旬)
泉龍寺をお参りしたあと、歩いてやってきました。
泉龍寺からは微妙なカーブと坂道が続く雰囲気のある道をのんびり歩いて10分弱でした。
のんびり歩いていても、下り坂を下ってくる自転車などもありますので十分注意してくださいませ。
泉龍寺のある川沿いの段から一段上がったような感じのところで、惣吉稲荷神社が見えてきました。
いいお天気で何より。
クルマがとまっているのが見えますが、こちらは月極駐車場ですのでお間違えなきよう。
鳥居はこの写真ですと左側のほうになるのでもう少し登ります。
周辺にはかなり古そうな墓碑がたくさんありました。
さすがにお写真を撮るのは遠慮させて頂きましたが。
角を曲がると鳥居に到着です。
正直大きな神社ではありませんが、このコンパクトな境内に貴重なストーリーがたくさん満ちています。
鳥居です。
我ながら、なんでこの画角で撮ったのかよくわかりません。
もう少し下の方も入れるべきだと思うのですが。
鳥居とその周辺です。
こちらはスマホの広角レンズで撮ったのでちょっと両端が歪んでしまっています。
面している道幅が狭いのであまり引いて撮ることができませんでした。
鳥居の扁額です。
正一位 惣吉稲荷大明神
と書いてあります。
それでは一礼して境内にお邪魔させていただきます。
境内の様子です。
これがほぼ全域となります。
右手前方向の見えないところに、大岡夫妻の墓碑などの石碑類があります。
右に見えている白い案内板が、冒頭でご紹介した、「惣吉稲荷神社御由緒の概要」の説明板です。
左に見えている屋根付きの祠の中に、貴重な板碑が保存されています。
まずは真正面の社殿に向かいます。
シンプルかつコンパクトなサイズの本殿です。
ガラス越しに中を見ることができましたが、大変綺麗に整備されていて、皆さんに大事にされているのがよくわかります。
社殿の扁額です。
たくさんのお名前が記載されています。
こちらが本堂に向かって左手にある、相模原市指定重要文化財である「中和田延文四年の板碑(双碑)」です。
延文四年というのは西暦1359年ですので、700年近く前ということになります。
時を超えて令和の世ですが、板碑の陽刻ははっきりと健在ですね。
鳥居から社殿に向かって右手前に位置する石仏や石碑です。
そしてこちらが登録文化財でもある、大岡夫妻の墓碑となっています。
鳥居から境内に入ってすぐ右を振り返る、といった位置関係になります。
逆光でうまく撮れないなぁ、と思いましたが、
逆光にくじけるなと今自分に言い聞かせて
いろいろ設定をいじってみたんですが
白飛びしてしまいました。
さっきの写真の方がましでしたね…。
墓碑の写真でも右上に見切れている案内板です。
相模原市登録有形文化財ということで、相模原市教育委員会さんによって立てられています。
大きくはない、むしろ小さな神社なんですが、境内にはなんかすごく穏やかな温かい空気が満ち溢れているような、そんな気がしました。
行ってきました(2024年3月中旬)
記録的に開花の早かった2023年でしたら桜が咲いていたかもしれない時期ですが、今年2024年はまだまだ開花の気配はないようでした。
とにかくいい天気ですが、枝ぶりはまだ冬の装いです。
開花となれば桜色に染まるであろう境内もぽかぽかした冬の晴れ間といった感じです。
お参りさせていただきました。
ありがとうございました。
行ってきました(2024年4月上旬)
桜が咲いたという話を聞いて、微妙な天気と微妙な時間にお散歩に出ました。
日没迫る夕方のお散歩、しかも天気は雨は降っていないもののご覧のような花曇りとなっています。
しかし立派な桜が咲いていますね。
小さな境内がこれでもかと桜に染まっています。
背景の空は脳内補正で青空にして下さい。
何なら前回3月訪問時の空をご参考いただいて脳内で合成していただければ。
まさに桜の屋根状態です。
おじゃまさせていただきましょう。
お参りさせていただきました。
ありがとうございました。
来年は青空を背景に桜の写真が撮れたらいいなと思っています。
まとめ
相模原市南区上鶴間本町にある「惣吉稲荷神社」について書いてみましたがいかがでしょうか。
「境川沿いを見下ろす段上で長きに亘ってたくさんの出来事を見守ってきた神社」ということが伝わったら幸いです。
気になることがみつかった方は是非当ブログ内の各ジャンルの記事にも飛んで読んでいただけたら嬉しいです。
相模原市南区に興味を持っていただき、また、この記事を読んでいただいてありがとうございました。